表示されるのは、その接続で使うアドレス
同じパソコンで2つのサイトを開いても、異なるグローバルIPアドレスが表示されることがあります。それだけで、どちらかが間違っているとは限りません。サービスが通常確認するのは、その接続が外部との通信に使うアドレスです。端末は複数の接続やアドレス体系を使ったり、中継サービスを通ったりできるため、1つのIPですべての通信を表せるとは限りません。
まず、アドレス自体が本当に違うのかを確認しましょう。同じIPの横に別の国や都市が表示される場合は、別の問題として考える必要があります。
VPNやプロキシが一部の通信だけを扱うことも
スプリットトンネリングでは、特定の宛先だけをVPNに通し、ほかの接続は通常のインターネット回線に流すことがあります。プロキシも、特定のサイトやアプリだけが対象になる場合があります。その結果、あるサービスには回線の出口、別のサービスには中継サービスの出口が見えることがあります。国内と海外のサイトは一例ですが、サイトの国だけで接続先までの経路が決まるわけではありません。
アプリごとにプロキシ設定が異なることもあります。ブラウザーの結果が、ほかのアプリにも当てはまるとは限りません。VPNの接続アイコンだけでも、対象となる通信の範囲は分かりません。また、単なる転送経路の変化で必ず送信元IPが変わるわけではなく、アドレス変換、中継、実際の接続の変化を分けて考えることが大切です。
IPv4とIPv6は同時に使える
ネットワークによっては、IPv4とIPv6の両方を利用できます。あるサイトはIPv4だけに対応し、別のサイトはIPv6にも対応しているかもしれません。両方が利用可能でも、ソフトウェアが到達性や接続状況に応じて選ぶことがあります。同じ端末でも、見えるアドレスの形式が大きく異なるのはこのためです。
VPNやプロキシが2つの体系を異なる方法で扱う場合もあります。ただし、IPv4とIPv6が並んだ結果だけで漏えいや攻撃と断定することはできません。プライバシー設定を確認するには、その設定が対象とするアプリ、プロトコル、通信の範囲を知る必要があります。
接続回線と確認時刻もそろえる
Wi-Fiからモバイル通信への切り替え、回線の変更、アドレスの再割り当てで、外から見えるIPが変わることがあります。以前から開いていたタブに古い結果が残り、新しいタブには現在の接続が表示される場合もあります。比較するときは接続中のネットワークを確かめ、近い時刻に取得した新しい結果を使いましょう。
ルーターを再起動しても、動的なアドレスが必ず変わるわけではありません。反対に、1つのグローバルIPを複数の利用者が共有することもあります。1回の確認は、特定の時刻と接続についての観測であり、端末全体の通信を示すものではありません。
同じIPで地域だけが違う場合
アドレスが同じなのに国、都市、組織名が異なる場合は、位置情報データベース、更新時期、項目の意味の違いを考えます。IPによる位置情報はネットワークアドレスに関する推定で、端末のGPS測位ではありません。中継を使う場合、利用者ではなく出口の場所を表すこともあります。
アドレス全体、IPv4かIPv6か、確認時刻、接続設定を順に確かめてから、地域表示を比較すると整理しやすくなります。これらは差を理解する手掛かりですが、特定のサイトが常に正しいことやVPNの故障を証明するものではありません。すべての場面に共通する唯一のIPを探すより、どの接続を見た結果なのかを確認するほうが役立ちます。
DNSの経路とサイトへの出口
リゾルバーは名前を調べ、Web接続は回答の宛先に向かいます。この二つの経路は異なる場合があります。DNSとサイトから見たIPの国が違うだけでは、DNS漏えいの証拠になりません。想定したVPNやプロキシの方針と合わせて判断します。基礎はDNSとは?名前から接続先が分かる仕組みで説明します。